実施企業
Kiefel社(ドイツ)
技術提供企業
シーメンス株式会社
目的
天然繊維を使用した環境に優しい包装材製造機械「NATUREFORMER」の開発
概要
プラスチック加工機械メーカーのKiefel社は、シーメンスのオートメーションプラットフォームを活用し、天然繊維から持続可能な包装材を製造する新しい熱成形機シリーズを開発。短期間での製品化と高効率生産を実現しました。
背景や課題
プラスチック廃棄物による環境問題への対応として、リサイクル可能で堆肥化が可能な天然繊維による包装材の開発が求められていました。しかし、ヨーロッパでは天然繊維の熱成形に関する製造プロセスやノウハウが失われており、熱成形技術と天然繊維加工の知識を組み合わせた新しい製造方法の確立が必要でした。また、市場からの高い期待に応えるため、極めて短期間での開発が求められていました。
実施内容
シーメンスの標準化されたオートメーションプラットフォームを採用し、自動熱成形のソリューションを共同開発。新しい材料ラボと技術センターに投資し、ラボテストの結果を機械設計に反映させました。プロジェクト開始からわずか3ヶ月でラボ機での試運転を実現し、3年後には量産体制を確立。水とプロセス熱の再利用システムを導入し、製品1個あたりのエネルギー消費量を2.5kWに抑制するなど、製造プロセス自体のサステナビリティも追求しました。
結果
開発された「NATUREFORMER」シリーズは、食品安全性、耐水性、耐油性、耐衝撃性を備えた天然繊維製包装材を、わずか20秒という短いサイクルタイムで生産可能に。米国企業から100台以上の大型受注を獲得するなど、市場で高い評価を得ています。シーメンスのグローバルなサポート体制により、世界中での保守やスペアパーツの供給も円滑に実現。さらに、新しいモーションコントロールプラットフォームへの移行を進め、OT/IT統合とソフトウェア管理の面でも進化を続けています。